事故直後の「痛くない」は信じちゃダメ?

「大したことない」と思って
帰宅しようとしていませんか?

交通事故に遭った直後、お互いの車の傷を見て、

「車は少し凹んだけど、体はなんともないな」
「怪我もなさそうだし、物損事故で済ませよう」
と判断してしまう方が非常に多いです。

特に、軽くコツンとぶつかった程度の事故だと、「忙しいし病院に行くほどでもない」と思いがちです。

しかし、声を大にしてお伝えします。

その「痛くない」という感覚は、脳が作り出した一時的な錯覚かもしれません。

事故直後の自己判断は禁物です。

なぜなら、数日経ってから激痛に襲われ、後悔するケースがあまりにも多いからです。

目次

なぜ痛くない?
脳内麻薬「アドレナリン」の麻酔効果

人間は、生命の危機や強いストレス(衝撃)を感じると、本能的に防御反応を示します。

交通事故という非日常的な衝撃を受けた瞬間、脳内では「アドレナリン」「β-エンドルフィン」といった神経伝達物質が大量に分泌されます。

これらは「脳内麻薬」とも呼ばれ、強力な鎮痛作用(痛み止め効果)興奮作用を持っています。

スポーツ選手が、試合中に骨折していてもプレーを続けられ、試合が終わった途端に激痛倒れ込むシーンを見たことがありませんか? 交通事故の直後も、これと同じ状態です。

体は悲鳴を上げているのに、脳が興奮して痛みを感じないようにブロックしてしまっているのです。

「痛くない」のではなく、「痛みに気づいていないだけ」なのです。

むちうちは「時限爆弾」。痛みは数日〜数週間後にやってくる

この脳の興奮状態は、数時間から数日で冷めます。

アドレナリンの効果が切れ、冷静さを取り戻した時、隠されていたダメージが一気に表面化します。

これが、むちうち特有の「症状のタイムラグ(遅れ)」です。

  • 事故当日:
    元気ピンピン。「大丈夫です」と相手に伝える。
  • 翌朝:
    なんとなく首が重い気がする。
  • 3日後:
    首が回らなくなり、頭痛がしてくる。
  • 1週間後:
    手のしびれや吐き気で仕事ができなくなる。

このように、まるで時限爆弾のように、時間が経ってから症状が爆発するのがむちうちの怖いところです。

「直後はなんともなかった」という言葉は、医学的には全く当てにならないのです。

放置すると一番怖いのは「因果関係」が否定されること

痛みが出た時に病院に行けばいいや、と思っていませんか?

実は、ここには大きな落とし穴があります。

それが「事故との因果関係」です。

もし、事故から2週間以上経ってから初めて病院に行き、「首が痛い」と訴えたとします。

すると、保険会社(場合によっては医師も)はこう判断します。

「その痛みは、本当に2週間前の事故のせいですか?」
「この2週間の間に、寝違えたり、スポーツで痛めたりしたのではないですか?」

事故から初診までの期間(空白期間)が空けば空くほど、「事故のせいで怪我をした」と証明することが難しくなります。

その結果、事故としての治療が認められず、治療費が全額自己負担になったり、慰謝料が1円も支払われなかったりする最悪の事態になりかねません。

「2週間」がタイムリミット?
診断書をもらうまでの期限

一般的に、事故と怪我の因果関係が認められやすいのは、事故から「1週間以内(遅くとも10日以内)」の受診と言われています。

2週間を超えると、保険会社から治療を拒否されるケースが急増します。

どんなに忙しくても、事故当日、遅くとも翌日には必ず整形外科を受診してください。

そして、少しでも違和感がある場所(首、腰、膝、手首など)は全て医師に伝え、診断書に記載してもらうことが、将来の自分を守る唯一の方法です。

痛み以外にもある!見逃してはいけない隠れサイン

「痛み」以外にも、体はサインを出しています。 アドレナリンが出ていても、以下の症状がある場合は要注意です。

  • 興奮して眠れない、ドキドキする
  • 食欲がない、または過食になる
  • 手が震える
  • なんとなくボーッとする

これらは自律神経がショックを受けている証拠です。

「気が動転しているだけ」と片付けず、必ず医師に相談してください。

接骨院が教える、事故直後に絶対やってはいけないこと

最後に、事故直後の「やってはいけないNG行動」をお伝えします。

  1. お風呂で温める
    「痛くないけど念のため」とゆっくりお風呂に浸かるのはNGです。体の中では炎症(火事)が起きている可能性があるため、温めると炎症が悪化し、翌日の痛みが倍増します。当日はシャワー程度にしましょう。
  2. お酒を飲む
    アルコールも血行を良くし、炎症を広げてしまいます。また、痛み止めが効かなくなる恐れもあります。
  3. 自分でマッサージやストレッチをする
    「首が凝ってるな」と自分で揉んだり、首を回したりしないでください。傷ついた筋肉をさらに痛めつけてしまいます。

まとめ:痛くなくても病院へ。「念のため」があなたを救う

「大げさにするのは相手に悪いから…」 という優しい方もいらっしゃいますが、

交通事故に関しては大げさなくらいが丁度いいのです。

何もなければ「異常なしで良かったですね」で終わる話です。 しかし、行かずに後から症状が出た時のリスクは計り知れません。

「事故直後の『痛くない』は嘘かもしれない」

この言葉を胸に刻み、事故に遭ったら即座に医療機関(整形外科)を受診してください。

そして、診断を受けた後のリハビリや、長引く不調のケアは、私たち接骨院にお任せください。

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この記事を書いた人

旭区鶴ヶ峰のゆげ接骨院の院長の宮崎です。
国家資格である「柔道整復師」の資格を持ち、 
 業界歴20年の経験に基づいて
 交通事故についての情報を配信していきます。

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